144MHz 1kw Amp 製作中
             大失敗の巻き
 現在2mAmpを製作中です少しなめて掛かったのが後でとんでもない羽目になりました只今調査中です
 まず第一に集中定数共振回路(コイルとCのみ)で設計したのが間違いでした初めに、πマッチですタンク回路
を十回ほど作り替えました、結論は真空管(4CX-1000A)と他のCが多くLが取れなく異常的低いQでOutが取り出
せませんでしたアナライザーでは上手く行きそうでしたがどうしてもLoadのVCからの放電はするし全くNGでした。
 次に考えたのは、昔やったことのあるリンク結合です並列共振ではLが取れないので直列共振回路で行う事にし
ました不安定ながら目的のPowerが達成できましたがしかし誰にでも調整出来るイージーAmpには程遠い物です
まず第一に1次.2次コイルの結合ですこんな物職人芸です結合を粗にすればするほどPower.能率どんどん上が
り最後は異常発振とPlateVCスパークです、スペアナを見ながらやると良く分かるのですが適当なところに結合を持っ
ていってもLoadVCを回すと又同じ事です私には最良点が分かりますが誰でもとはとても言い難い物です能率を30%
以下まで結合を密にすると安定はします(Powerが少ない)が実用には?です
 納期が迫り試作機はここまでとして気が付いたところを改良して(VCをテフロンシートで囲む.SGをGND接地.SG
Zpを下げる現在1KΩなど)納品すべきAmpの製作を始めました。
 ところが動作は予想に反して余り変わりませんまずPlateVcの放電対策を考えテフロンシートと銅板でコンデンサーを
構成して使用したがNG、GND間との放電ではなくコロナ放電だったことがここでようやく分かった何万ボルト耐圧のCを
用いても駄目だ。
 ここまで試行錯誤で何十回やったがNGで結論的にはOut300w以上では集中定数リンク結合では上手く安定動作し
ない、上手く行ったという人がいるらしいがその様なAmpが存在しない事が自分なりに完璧に分かりました(綱渡り動作
だったこと)。
 そこで考えたのはEMEの人達が採用している分布定数共振回路です私にとって初めての回路ですキャビティなど元から
製作しなければならないがとりあえずこのままの筐体で試作することにしました初めなかなかBandに共振出来ずに苦労し
ましたが今までの感で何とかPlateラインが完成しました同調Cは先輩たちを見習って銅板を糸を使用して上下して可変
しました多少ガタは仕方のないところです次にOutピックアップ部分ですが色々大きさを変えて試しましたが上手いところ
が見つけることができませんクリアランスも糸で可変できるようにしましたがまだ完全に自分の物にはなっていませんフラッパー
方式に今のところ余り理解できませんが単純に結合という事でよいのものと思うことにしました
 一応アナライザーでチェックしてOKになりいよいよ動作確認ですPlateTuneは簡単にとれます放電も全く起こりません幅
の広いPlateラインでコロナ放電には効果大ですLoadOutピックアップ部分の調整です私の場合結構シビアな動きでした
がポイントははっきりしていますしかし動作はPowerが出ると不安定でした、ある程度予想はしていましたが共振回路の中に
ファン.バーニアダイアル.メーター.同軸ケーブル等がありどれを触ってもPowerが激しく変化しますTuneを取るときもバーニア
から手を離すと変化します。
 予想はしていたがこれ程とはビックリです、特にフタを被せると共振周波数が上がるという分布定数共振回路ならではの動作
などいろんな体験ができ何となく感がつかめました。
 現在大幅に作り直しをやっている最中ですRF部は完全に独立キャビティ方式で行いTune機構も糸かけ方式を辞め独自のメカ
を注文しています真空管も暴れん坊の4CX-1000Aを改め3CX-800A7で基本的に忠実な設計で行いたいと思っています。
 部品の調達も完全にまだ出来ていませんので少し長期戦になりそうです今年の研究目標として完璧なVUHFのエキスパート
として生まれ変わることをここに誓います。
 

いつも通りのフロントパネル
πマッチで挑戦したが見事にNG
リンク結合直列共振回路に挑戦
こんな軽い結合でOKです
VCの歯を抜いて耐圧を上げました
入力回路Zpは25ΩGK

右の基板は高圧.左SG-C他制御基板
テフロンシート1.5o厚放電した跡
コイルも沢山巻きました
In30w.Out1kw上手く行っている様な気がした
CG流しちゃ駄目.能率45%だよ
分布定数型共振回路で挑戦
プレートラインはアルミ版です左高圧注入
Out、なかなか調子の良いところ見つからない
ピックアップ部の銅板沢山製作しましたが
右側銅板が同調用Cライン
20φテフロン棒h50oスペーサー


 初めての挑戦はふんどしを締めてかからないと思わぬ失敗がある、私は完全に初心を忘れていましたHFの技術とは別の物が沢山あります
製作もしたこともないのに暴れん坊真空管4CX-1000Aを使ったのも間違いでした(製作記事で使用したのを見たことがありますが超一流の
技術者でしょう).
HFAmpでも初めの頃はなかなか上手く動作しなくて500Wクラスでも自己発振起こしたり不安定だったのを覚えています、つまりAmpの製作は
理論より体験の数で殆ど決まります頭の中では出来てしまったような気がしても形として製作したとき必ずつまずきますし実験段階では上手く
行ったとしても実用機にしたときいろんな状態に直面します、Ampの製作は見るだけでなく体で覚えるということです。
 今回の件も初心に返ってやればよい物をHFでも苦労した4CX-1000Aでやって真空管が異常な動作か回路の問題か判断が迷うところが何
度もありました、この様なことを踏まえて真空管も動作のおとなしい3極管で行い完全安定動作を確認して4局管に移行するべきでした。
 今私は、静かに反省しています。

RFデッキ製作に入る