初めての真空管、7F71Rを使用して製作しました。

 7F71Rこの真空管は、VHFの放送用送信機で良く使用例があります、中古品も適当に入手できそうです、今回中古の
真空管とソケットを使用して、3.5-28MHzのOut5KWクラスのAmpを製作しました。

 Data表を眺めてみると、大変使いやすい球のようです、1番気に入ったところは、バイアスが浅く-60Vと、GK動作で、
低いZpで受けられそうです、ソケットはGG用ですので、GK仕様に改造しました、それでもソケットのみでも浮遊容量が
40PFとかなり高い数字です、真空管のCGの容量が150PFあり、合計200PF程度を考える必要があります、この程度の
Cであれば、Zpが低く設計できますので、魔法のマッチング回路が使用で、3.5-28MHzまで、1個の入力回路で済みそ
うです。

 ヒーターは、4V.80Aと大電流ですので、GGの場合ヒーターRFCが大変大型になりますが、今回GKですので、この辺りの
問題は解消されます、殆どの動作例はGGの様ですが、今回培った技術で?GK動作を安定的に行う事にしました。

 Bandは、3.5-28MHzまで、連続可変出来ます、Out.Dataは、3.5,3.8,7,10,14,18,21,24,28MHzまで、Out5KWを確認
しています、ドライブも100W程度で、CGが僅かに振れるところまでフルドライブします。

完成した71F7R、RFデッキ
上蓋を外してみました
500PF、16μH、2000PF
バリLの台は絶縁しています
いつもの、VVC台加工
大きな、純正ソケットSGパスコン実測5000PF
CGパスコン1400PF、今回使用しません
CGを絶縁しています、これでも浮遊が40PF
シャーシに入れるため、カットしました
メインシャーシ加工、重要な部分に銅板
墨付け、穴開けいつも大変な作業
出来上がり
ソケットは、何とか入りました
各部品を取付
Plate500PF、16μH、Load2000PF
取付完了
SGブリーダーは、3.5KΩ
入力広帯域マッチング回路、Zpは50Ω
ソケット周り
すみません、同じモノでした
Plate.Rfcは、5KC流用
Plateカップリングは、500PFが2個
新品の状態に近い7F71R
完成した全体の眺め
使用しないコイルは、ショート
28MHzは、πLかな
何も入っていない、底面
端子板は、ヒーター用です
In100WでOut5KW、入力SWRも大変FBです
28MHzでもSWR文句なし
アイドリングEP5KV、IP0.4A、SGブリーダ180mA
5KW動作時EP4.5KV、IP1.5A、SG220mA
測定風景

製作者JA6TAYから

 初めての真空管の割には、満足な結果が出ました、多分に今まで苦労した、SGの問題がソケットに付いているパスコン5000PFで
充分に貢献していることと思います、全くSGの暴れは3.5-28Mまで確認できませんでした、大変FBです。

 アイドリング状態での各電圧は、EP5KV、IP0.4A、CG-90V、SG650Vと、思ったよりバイアスが深くなりました、SGの電圧が少し高め
が原因のようです、この状態で、フルドライブは100W程度で、CGが僅かに振れます、CG電流計は3mAと高感度を付けています、SGの
ブリーダには、180mA流していますので、フルドライブ220mAですので、実質40mA程度です、負荷時EPが4.5KV程度ですので、5KV
キープ出来れば、5000Hのエレメント振り切ることが出来るでしょう、現在能率も70%程度ありますので、この電圧では限界に近い動作と
想像できます。

 今後この真空管で、Out5KW程度のAmpの製作を考えています、入力回路が簡素化でき、コア入りボビンの入手が難しくなってきた
現在の事を考えると、マルチバンド仕様の4CX-3000Aや5000Rや10000Dでの製作に戸惑ってしまいます。

 真空管も、4本テストしましたが、3本は殆ど同じでした、1本は電源を入れると、ドカンと言って電源が落ちました、高圧絶縁計で計ると
P-SG間が3KV程度で、絶縁不良になっていました、最初から計っておくべきです。

 今回採用の、魔法のマッチング回路です、自作の参考になれば幸いです。