要望の多かった、LDMOSFET(MRFX1K80HR)を使用してのHFアンプ(1.8-28MHz)のRFユニットの製作を行いました、スペックは、出力3KW.PEP、ディジ
タルモード2KWを目標として開発に挑みました、ファイナルユニットですが、中々思うように各BANDでの特性が平均化されず、VHFでは主流の伝送線型(同
軸)トランスから、従来のコア式(豚鼻)に変更しました。

 ディバイスもMRF1K50HからMRFX1K80H変更し電圧も53V→65Vに変更しました、トランスも1:9の変換率ですが、1本で楽に1.5KW以上伸びます、フィルタ
ーなしでは2次高調波-40dBc、3次では-10dBcとスプリアスは使用に値しません、次に私の経験が浅いLPFの研究です、1.8-7MHz迄BAND毎です10/14M
、18/21M、24/28Mは、同じLPFですので6BANDになります、計算値で製作しネットアナでの特性は申し分の無い特性になりましたが、実際ファイナルユニ
ットを接続すると、BANDによって大きく電力の通過が出来ません、LPFの入力ZPのマッチングが出来ていない事が分かり、不具合のあるBANDのLPFの定
数を見直すことになりました。

 測定器ではのこミスマッチング(3BANDあり)を再現して追い込むことが出来ませんので、実際電力を通して電力やスプリアスを見ながらカットアンドトライ
を繰り返すことになりました、初めての経験ですので相当な時間を費やす羽目になりました、IC-PW1等では、LPFの入出力の定数が違っていますメーカー
さんも相当苦労したことと思います、ここで問題が出てきました、スプリアス特性が悪くなり、新スプリアス値をクリアできずLPFにトラップを入れて対応しまし
たが、10Mの2次20Mのスプリアスが-48dBc前後(-50dBc規定)でNGです、10Mは14Mと共有のBANDですので簡単にトラップでは対応できません。

 そこでノッチに頼ることにしました、ここでも経験の浅さが暴露されました、ノッチでのロスが、10/14Mで-0.15dBあります、2%のロスですが1KWでは20Wロ
スです、Lをμインダクター等の簡単なノッチでは対応できず、結局T44-2コアで対応しました、IC-PW1では10Mと14Mは単独のLPFでした、トラップは入って
いますがノッチは入っていません。

 全体の構成としては、MRFX1K80HRユニット×2、LPF×2、電力合成で行っています、LPFは3KW以上通過するには部品入手などを考慮して各ユニット毎
使用しています、LPFの切替はFTCを利用してBANDトラッキングを行っています(ほぼ全メーカー対応)、今後実用機としてUJ-106LDSと同じケースに収納
する予定です、実用機完成後実際の運用テストをへービーユーザーに行って頂き、令和5年7月頃には販売の予定です、実用機(試作機)が出来ましたらHP
で報告します。

                                                                                                  
            2022.12.11

     
 完成したRFユニット連続使用に耐えるようにトランス、ファンで冷却  見えにくいがLPFもファンで冷却、大型コアは電力合成用  LPFは2段で6BAND切替
     
 BANDトラッキング用のFTCとRLドライバー  当社プリセットアンプやKL-1と同じ表示器  アンプユニット1台とLPF1台での研究用RFユニット
     
 伝送線型トランスと従来の豚鼻型トランス  LPF全てトロイダルコアのため再現性抜群   トラップの入っているところは銅板が付いている
     
これが究極のノッチここでのロス1KW時で20W消費T44-コア2使用   電力型チップコンATC100B 銅板の右下がトラップ用チップコン  フィルターなしのスプリアス、2次-40dBc、3次-10dBc程度です強力